緑茶を睡眠前に飲むと、「カフェイン」で眠れなくなるのが心配…なのに緑茶で睡眠改善とは矛盾…と思われるかと思います。
通常、お湯から緑茶を淹れると、湯のみ1杯(約120ml)あたり24mgのカフェインが含まれます。
「カフェイン」とは目を覚ます覚醒作用があるほか、解熱鎮痛作用、利尿作用などを持ちます。こうした性質を利用して、カゼ薬や解熱鎮痛剤の一成分として医薬品に応用されることも。ほかに疲労を軽減させたり、脂肪燃焼に役立つ作用もあります。
さらに緑茶にはこのカフェイン以外に「テアニン」というアミノ酸の一種も含まれています。
近年の研究結果で緑茶に含まれるこの「テアニン」が睡眠改善に役立つと報告がありました。
テアニンとは、脳をリラックスさせる作用や、ストレスを軽減させる作用、集中力を高める作用を持った成分であり、うまみ成分のひとつでもあります。
つまり寝る前にこの「テアニン」を摂取すれば、脳がリラックスしたり、ストレスが軽減します。そのため深い睡眠に入りやすくなり、睡眠の質が高まる…と考えられています。
緑茶に含まれる成分「カフェイン」と「テアニン」。「カフェイン」を減らせば「テアニン」の効果が期待できるということになります。
【水出し緑茶】の製法でカフェインが抑えられる
水出し緑茶ですと、カフェインは120ml当たり12mg。お湯で淹れた場合の半分に減ります。
テアニンは低温の水にも溶けやすく、カフェインやカテキンは低温の水では溶けだしにくい性質を持っています。
テアニンのみを抽出できれば、期待効果はもちろんのこと、茶葉の甘みが強くでるため、おいしくなります。
ぐり茶(蒸し製玉緑茶)はテアニンの含有量が多い
ちなみに、茶葉2gあたり煎茶は38㎎に対し、ぐり茶は48㎎のテアニンの含有量があります
※参考図書:日食工誌(1970)、茶研報(1994)