日本茶の代表品種 やぶきた
現在、お茶の品種は100種類近くが農林水産省に登録されています。
その中で国内での栽培面積の約7割を占めるのが、「やぶきた」です。
この圧倒的な普及率こそが日本茶の代表品種と言われる理由です。
「やぶきた」はどのように生まれたのでしょうか?
「やぶきた」を選抜した杉山彦三郎という人物は、1857年(安政四年)に現在の静岡県静岡市に生まれました。
1908年(明治41年)に津嶋神社前にある所有地の竹藪を開拓して、茶畑を作りました。
杉山はその茶畑で優良な茶の木を二本を選抜しました。
選ばれた二本のうち、一本は元々竹藪だった地の北の方にあったので「やぶきた(藪北)」と名付け、もう一本は南にあったので「やぶみなみ(藪南)」と名付けられました。
その後も実験と観察を続け「やぶきた」が優秀な木だということに気づきます。
試行錯誤を重ね情熱を注いだやぶきたは、いまでは「日本の茶業の繁栄は、やぶきたのおかげ」とまで言われています。
「やぶきた」の特徴の一つとして耐寒性の強さがあります。
お茶は一番茶萌芽後の寒さや霜害に最も警戒しなければならないほか、寒さの厳しい地域では冬季に枯れてしまうこともありますが、
「やぶきた」は寒さにも強く、寒さで葉の色が変わったり、枯れたりする凍害を受けにくいのも強みです。
様々な土壌に対応できる適応性の高さもあります。
さらに成長面での強みとしては、根や芽の出方が均質のうえ成長が速く、植え替えもしやすいということがありました。
気になる味・品質面の良さですが、煎茶としての品質は極めて優れています。鮮やかな緑色の水色が特徴で、強くはないが上品な香り。くせの少ないすっきりとした味わいで、渋みが少なく、旨みがある。
そんな「やぶきた」ですが、
当店では「ぐり茶 香り一番茶」・「一番茶・二番茶ブレンド 緑香」・「上級二番茶 徳用500g」に多く使用されております。
食後や和菓子と飲むことで、その対比が引き立ち、味わい深いひと時を過ごせます。
やぶきたの渋味は、カフェインがほどよく含まれており、さっぱりとした後味でリフレッシュ感をもたらします。 私たちにとって一番馴染みのある日本茶の味ですので、忙しい日々の中で一息つくための時間にぜひお試しください。