ぐり茶と煎茶の違いはまず「見た目」
写真で見ていただければ一目両全です。
分り易いように、深蒸し製法の茶葉ではなくここでは浅蒸し製法の茶葉で説明します。
ぐり茶とは正式名称は「蒸製玉緑茶」
玉のように葉っぱがぐりっとしている形状からこの名称がつけられています。
伊豆・伊東地方では、販売時に「蒸製玉緑茶です!」と呼ぶとお客様も???となり説明しにくいことから、ぐりっとしていることから【ぐり茶】と呼んで販売してきました。
煎茶は上記の写真のように、針のようにぴんとまっすぐです。
なぜこのぐり茶と煎茶では形が変わるか!?
それは荒茶と言われるお茶の原料の製造工程の違いにあります。
使用する生葉は、もちろん煎茶もぐり茶も一緒です。
違いは【精揉】と【再乾】です。
■精揉とは、お煎茶を作る工程でここで茶葉がピンとまっすぐに形を作ります
■再乾とは、ぐり茶を作る独特の工程で茶葉をぐりっとした形にします。
ただこれだけの違いです…というと簡単ですw
わかりやすく写真で製造している機械を紹介します。
まず、煎茶の形を作る「精揉機」です。
上記の機械がガッチャン!ガッチャン!と上下に振り子運動して、手揉み茶でいう手のひらを使って葉っぱをまっすぐにする工程を行います。
ぐり茶独特の機械「再乾機」です。
この機械は円筒状になっていて、この写真はその内部を映したものです。
この再乾機はグルグル回って茶葉に遠心力をかけ形状を玉状にしていきます。
形状を作るのに内部に茶葉が引っかかるようフィンを付けています。
これが、ぐり茶と煎茶を製造するうえでの大きな違いで、この工程は各茶産地の荒茶工場ですべて行われます。
※荒茶工場とは各産地に点在しその産地で収穫された生葉を集め蒸気で蒸し乾燥させる工場です。荒茶はまだ大きさも不揃いで、茎なども混じっているため半製品を作り上げます。ここで生産される荒茶の水分率は5%程度。
簡単に違いを説明しましたが、これでお茶の味の違いはあるの?と言われると…もちろんあります!
精揉がなく再乾で仕上げるのが「ぐり茶」!
茶葉を押す余分な力が加わっていませんので、最終製品にしたときにお茶の持つ旨味がしっかり残っています!
ぐり茶は、見た目重視より味重視なのです。